2025年4月 ホノルル不動産マーケットレポート

公開日:2025.05.12 更新日:2025.05.12

2025年4月のホノルル不動産市場レポート:価格は上昇も、販売は減速傾向に

2025年4月のホノルル不動産市場は、価格の上昇傾向とは対照的に、販売件数の減少が顕著となりました。一戸建て住宅、コンドミニアムともに前年同月比で取引数が減少し、市場の鈍化が見受けられます。

1. 一戸建て住宅市場の動向

販売件数と価格の推移

  • 販売件数:241件(前年同月比 8.0%減少
  • 中央値価格:$1,170,000(前年同月比 6.4%上昇、前月比 0.9%上昇

一戸建て住宅の販売は、全体的に価格帯を問わず減少傾向にあります。特に$700,000~$999,999の価格帯での取引が28.1%減少(96件→69件)と大きな落ち込みを見せました。

販売スピード

  • 平均販売日数:29日(前年同月は17日)

物件が市場に公開されてから売却までの期間が延びており、買主様の購入決定が慎重になっている様子がうかがえます。

新規リスティングと在庫状況

  • 新規リスティング数:366件(前年同月比 4.9%増加
    • $600,000~$999,999の価格帯が26.8%増加(123件)
    • $1,000,000~$1,299,999の価格帯は20.9%減少(91件→72件)
  • 月末時点での在庫数:805件(前年同月比 30.3%増加

価格交渉の傾向

  • 売出価格を上回って成約した割合:27%(前年同月は33%)

市場の需給バランスが買主様優位に傾きつつある兆しが見られます。


2. コンドミニアム市場の動向

販売件数と価格の推移

  • 販売件数:395件(前年同月比 8.4%減少
  • 中央値価格:$505,000(前年同月比 4.4%減少、前月比 1.0%上昇

価格帯別では、$400,000~$499,999の取引が33.3%減少(78件→52件)と大きく落ち込みましたが、$200,000~$399,999では31.0%増加(84件→110件)と低価格帯に需要が集中しています。

販売スピード

  • 平均販売日数:43日(前年同月は29日)

買主様の資金計画や管理費上昇への懸念が影響していると予想されます。

新規リスティングと在庫状況

  • 新規リスティング数:851件(前年同月比 29.7%増加
    • 約60%が$599,999以下でのリスティング
  • 月末時点での在庫数:2,512件(前年同月比 59.4%増加

価格交渉の傾向

  • 売出価格を上回って成約した割合:9%(前年同月は15%)

値引き交渉や価格調整の余地が増えており、買主様にとっては選択肢が広がる一方、売主様にとっては販売戦略の見直しが必要です。


3. 金利と市場心理

  • 30年固定住宅ローン金利(2025年5月1日時点):6.76%
  • 第1四半期の平均金利:6.83%

高水準の金利が続いており、買主様の予算調整や借入審査への影響が残っています。特にコンドミニアム市場では、金利に加えて管理費の上昇も考慮されており、価格だけでなくランニングコストが重視される傾向が強まっています。


4. 累計実績(2025年1~4月)

  • 一戸建て住宅販売累計:前年同期比 5.3%減少
  • コンドミニアム販売累計:前年同期比 2.3%減少

5. まとめと展望

2025年4月のホノルル不動産市場は、価格は堅調ながらも販売件数や販売スピードの面で減速感が強まった1ヶ月でした。

  • 売主様は、強気な価格設定よりも「適正価格+付加価値」での勝負が重要
  • 買主様にとっては選択肢が広がる一方で、金利やランニングコストを踏まえた慎重な物件選定が求められる

在庫が増加し、成約件数が減少する局面では、両者の戦略次第で大きく結果が変わります。今後も市場動向を注視し、柔軟な判断を下すことが重要です。

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